アンサンド ブランクの経年変化につきまして



 ■アンサンド ブランク(無塗装)の経年変化につきまして


 アンサンド ブランク(無塗装)のロッド表面につきましてお問い合わせがございました。

 使用していると経年変化として起ってくる現象です。

 下記に説明をさせていただきます。


 写真をご覧下さい。

 

 使用頻度に応じて起ってくる現象ですが、ブランク表面の塗装剥がれです。

 これは経年変化によるものです。

 原因は樹脂の紫外線劣化と、海水の塩分による加水分解だと考えられます。

 同ケースとして、小西の使用しているロッド、遠征によく行かれる方、船長さんなど

 使用頻度が多くなると起ります。


 開発者 小西のケースとして、この状態で何年も使用しておりますが、

 釣りでの使用に於いて不具合は起っておりませんので気にせずに使っております。


 アンサンド ブランク(無塗装)は、色付け塗装をしないためにカーボン研磨を行っておらず、

 これによりブランクの強度を上げています。(強度が出て折れにくい)

 また、塗装を乗せないことで軽量化にも貢献しています。


 新品時のアンサンドブランクの表面の光沢は、ブランク成型の時のカーボンを硬化させる樹脂が固まったもので、

 塗料による仕上げとは異なったものであります。


 『アンサンドブランク(無塗装)』 と 『塗装ブランク』 を比べると、

 共にメリット デメリットがあると考えております。


 カーペンターではアンサンドブランクの修理は行っておりませんが、一時的な処置として、ブランクにクリヤー樹脂を

 塗ることは可能です。

 その場合、後塗りのブランク塗装は、塗装用に研磨処理がされた素のブランクへの“しごき塗り”(ブランク塗装の

 最も一般的な塗装方法、ガイド装着の状態ではこの塗装は出来ません。)とは異なり、過去の経験から懸念される

 症状が起ることがあります。

 カーボンの表面には微細なピンホールが無数にあります。

 ロッドが振幅を繰り返すことで、後塗りのクリヤー樹脂とカーボンの間に、ピンホールでやや密着がよくない部分が

 剥離を起こして、塗った樹脂とカーボンの間につぶつぶの細かい浮きが出ることがありました。

 他にも、使用の状況や環境、また保管状況などで起こる症状は様々です。

 もう一点、樹脂を乗せるので樹脂の重量が乗り、ロッドがやや重くなります。


 テスト期間が長い試作ロッドは、ほぼこの現象が現れていますが、強度などには問題が無いので

 私はこのまま使用しています。



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