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■KLL メタルジグはカーペンターファンの方へ作らせていただいた
2016年11月頃より、KLL(カーペンター別ブランド) からメタルジグが発売されることになりました。
釣具店に行くと、色々なメタルジグがいっぱいあります。
私はほとんどの市販品のジグを購入して、釣り場やテスト船で使いました。
優秀なジグはいっぱいあります。
釣りをするにあたり、そのジグで十分事足りると感じています。
昔からカーペンターファンの方から 『カーペンターのジグが欲しい』 とのお話が
たくさんありました。その度に私は 『一度作ってみてもいいですけどね・・・』 という曖昧な
返答をしてきました。
何年か前にまた 『カーペンターのジグが欲しい』 とのお話がありました。
その時の私の返答は 『カーペンターが作らなくても優秀なジグはいっぱいありますよ。
カーペンターで作る意味が見出せないのです。作る意味はあるのでしょうか?』 と返答しました。
その方は 『市販品ではなく、カーペンターのジグで魚が釣りたいのです。
カーペンターの道具で魚釣りがしたいのです』 と答えられました。
この答えに私は ”はっ” としました。
事実、この方はカーペンターしか使っておられない方でした。
私は子供の頃から釣り好きで、このメーカーの、これで釣りがしたい。魚が釣りたいとの
とても強いこだわりを持っていました。30年以上も前の道具ですが、今でも大切に
持っています。それらは大好きなメーカーの道具達で、思い出がいっぱい詰まっているので、
墓場まで持っていこうと大切に持っています。
”人気メーカーの物でプレミアがついているので売ればいい値段になるよ” と言われますが、
私にとってお金に換算出来ない大切な宝物なのです。
『市販品ではなく、カーペンターのジグで魚が釣りたいのです。
カーペンターの道具で魚釣りがしたいのです』 この言葉は私が子供の頃に
持っていた想いと同じなんだと感じました。
本当にカーペンターとカーペンターの道具の事が好きでいてくださるんだなぁ と、
とても嬉しくなりました。
好きなのでカーペンターを使って下さっているということは以前から理解できていたのですが、
ファンの方のカーペンターへの想いというのは自分が想像しているよりも大きいのだと感じました。
好きさ加減は様々だと思いますが その想いに "LOVE" を感じる方がおられると
本当に思うことがあります。
私が子供の頃に大好きだったメーカーの道具への想いと同じ想いを
カーペンターとカーペンターの道具に強く持って下さっているのだと強く感じました。
本当に嬉しい気持ちと同時に、絶対裏切るような物を作っていけないと思い、
真剣にジグの事を勉強して、試して、試して 本気で取り組んでいます。
KLLジグは、 『市販品ではなく、カーペンターのジグで魚が釣りたいのです。
カーペンターの道具で魚釣りがしたいのです』 と言ってくださる方へ
作らせていただいた物です。これがジグを作る意味のすべてです。
KLLジグは鋳造品ですが型崩れが起こらない方法で作っています。
コストと手間が掛かるので、一般的には行われていない方法です。
型崩れが起こらない作り方にご協力していただき、考え方に共感出来て
信頼出来る所でKLLジグは作ります。
ビルダーさん 曰く 大量生産設備ではないので数が出来ないとのお話です。
『市販品ではなく、カーペンターのジグで魚が釣りたいのです。
カーペンターの道具で魚釣りがしたいのです』 と言って下さる方々へ
作らせていただく物なので、数は要りませんので大丈夫ですとの話で
作ってもらうことになりました。
もし、他にご要望が拡大しても数に対して対応が出来ないことは最初に伝えておきます。
ジグを作るきっかけになった 『市販品ではなく、カーペンターのジグで魚が釣りたいのです。
カーペンターの道具で魚釣りがしたいのです』
この想いの方々へ最も優先的に使っていただきたいとの思いです。
販売も優先的に行わせていただきます。
■私がジギングについて思うこと
メタルジグのアクションという物は、ロッド リール ラインetc.と
釣り人の操作と力加減の複合が生んだ物だと考えています。
色々な性質の部品が集まり、それを制御する生き物から成り立つ、非常に曖昧な物だと
経験から考えるようになりました。
一見、精密に出来たリールという物も本当に曖昧な物だとジギングをしていると
感じてきます。
例えば 水深30mと水深100mでは、ハンドルを一巻きした時の糸の巻き量が
変化してしまいます。(スプールの糸巻の外径が変化する為)
もっと深場ではもっと大きく変化してしまいます。
このような構造の物で、ジグのアクションを正確に制御することは本当に
難しい話になってきます。
釣り人がジグの動きを捉えて、補正を入れながら、入れながら、何とか釣れると
感じるジグの動きに持っていっているというのが現状ではないでしょうか。
ロッドも同様に、抵抗が変われば、曲がり方が変わります。
ラインも水深が増すと伸びます。
このような状況を踏まえて、さて・・・ジグはどのような物を作ればいいのかという
ことになってきます。
メタルジグの動きは、使うロッドのアクションや弾性率、使うリールのハンドル一回転
あたりの糸巻き量やリールの持つ性質(巻上げ力など) また、アングラーのつける
アクションや力加減で大きく変わります。
ラインやリーダーの太さ アシストフックの大きさでもアクションは変わります。
また、水深 潮の抵抗などでも変わります。
これらの話は釣り雑誌でも大昔から言われていたと思います。
私が経験したジギングからも、間違いが無い事実だと確信しています。
メタルジグの動きの説明書を目にしますが、どの水深で どの潮流で
どの船の移動速度で、どの道具でどの力で何cm動かした時に
そのアクションになるかは記載されているのを見たことがありません。
メタルジグの動きの説明書は、何らかの条件の時に、ある道具を使ったら
このように動いたことがあった。との説明がなされていると思っています。
ジギングは目に見えない釣りです。
果たしてジグが水深100mで説明通りに動いているかどうかは?です。
ジグが目視出来る水深3〜5mあたりの動きと水深100mでは
まったく同じ動きが出ているとは考えにくいです。
慣れれば、ラインの弛みと弛む時間でおよそのジグの動きは
想像が出来ると思いますが、実際に見た訳ではないので、それも
想像の域を出ないと思います。
ジギングは非常に曖昧な世界ですが、一つだけ言えることは
道具の組み合わせや道具の性質を調整していき、自分の動かし方と力加減を調整して、
自分が動かしたいと考える動き (釣れるだろうと考える動き)に持ってくことは何とか工夫すれば
不可能ではないと思います。
自分が動かしたいと考える動き(釣れるだろうと考える動き) が、
実際は頭で想像している動きと異なる動きをしていたとしても、
”その感覚” というものは実在しているもので、頭で想像している動きと異なる動きをしていたとしても、
脳が視覚的な物への変換時に、ちょっと異なった物に置き換わっているだけなので
”その感覚” 自体は正しい物だと思います。
経験から得た ”釣れた時の感覚” の中の、その条件に対して適正な物を引き出して、
魚からのコンタクトを得る。魚に聞きながら適正なアクションをもっと最適なアクション
(釣れるアクション) に調整していく。
これがジギングの世界であり、ジギングの面白さではないだろうか
と考えるようになっています。
経験から得た ”釣れた時の感覚” が少しでも出しやすいように
”KLLメタルジグ” は作りました。(道具やアングラーの操作、条件でジグのアクションは
すぐに変わるので、確実な再現性は難しいですが、ジグが持つ特徴として
”釣れた時の感覚” が出やすいジグです)
2016年11月現在、150gの3種類のジグをリリースします。
これだけでは条件を全くカバーしきれません。
今も試作型を調整して、調整して、狙いの動きを出す作業をしています。
異なる重さの物や別の性質を持ったジグを追加していく予定です。
■最後に
他に無いカーペンターらしいオリジナルデザインは、カーペンター工房の機械で
作った物です。工場長がデザインしてくれました。
物凄く気に入っています。
KLLジグですが、HP内では簡単な特徴しか説明をしていません。
道具や釣り人の動かし方、潮 風などの条件で、動きが大きく変化するのがメタルジグです。
ご自分のタックルや動かし方で、どのように動くのかを確かめて、
実釣に生かしていただければ幸いです。
Copyright (c) KLL All Rights Reserved.
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